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取調べ可視化の実現に向けて

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昨日(9日)、刑事司法改革を3年に渡って議論してきた法制審議会の特別部会「新時代の刑事司法制度特別部会」で,法案の最終案がまとめられました。法務省は,この案をもとに来年の通常国会に法案を提出する方針とされます。

厚生労働省局長事件,等の数々の冤罪事件,捜査機関による自白強要や証拠改ざんと言った不祥事を受けて,3年前に設置された特別部会です。

取調べの可視化などが議論されてきました。

日弁連や各単位会はこれまで全ての事件での全過程での可視化を求めてきましたが,今回,義務化されるのは,殺人や強盗などの重大事件を対象とする裁判員裁判対象事件や検察官独自捜査事件で全ての刑事事件の3%に過ぎません。

その反面,司法取引制度や通信傍受事件の対象事件拡大など捜査権限の拡大につながることも認める最終案となりました。

従来の取調べに過度に依存した捜査や公判を見直し,その捜査権限の抑制のために抜本的な改善策を検討して提言することが目的であったはずですが、極めて不十分、むしろ危険な制度まである内容となりました。

私と五十川さんが所属する委員会では市民集会を企画したりしてきましたが,ガッカリしてしまいました。

まず第一歩と評価する日弁連会長声明が出されましたが,不十分すぎる。声を上げていきますよ~

・・・夏の弁護士会会報に掲載する文書を提出して間もなく加筆修正。

何とか間に合いましたが、通常業務の合間のバタバタ作業,その恨みからの威勢かもしれません。

 

2014年7月10日

瀨戸一哉