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どんな人間でも逮捕勾留されると意気消沈するものである。
社会から隔離されて外界からの情報が制限されると
悲観的になり精神的に不安定になるものである。

刑事弁護人は,防御活動だけでなく,時には友人のように励ます必要もある。
被疑者被告人にとっては,弁護人だけが唯一の話し相手になることもある。
不安に慄く被疑者被告人は,気の毒だと思うのである。

ある被告人のことを思いだす。
仕事もなく,家族もおらず,お金もない。
どうやって生きていけばいいのかと言って,
大柄な男性であったが小さく体を丸めていた。
人には,支えてくれる家族や友人,仕事,
そして将来への希望がないと立ち直れないのである。
彼は何もないと嘆いていた。

ただ,彼の来ているTシャツには,大きな赤い文字で
「I have a dream!!」
と書かれていたのが印象的であった。

2014年7月3日

五十川剛俊