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テレビ報道に思う

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みなさんは、無罪推定という言葉はすでにご存じだと思います。
刑事裁判で有罪の判決を受けるまでは無罪の推定を受けるという考えです。

ところで、
午前中に放送されているテレビの情報番組をたまたま見ていました。
その番組では、ある刑事事件について番組で取材した映像が流されていました。

逮捕された人物の家は借家だの、
その家賃はいくらだの、
一日中、家の庭で何かを掘っていたという近所の人の噂話など
(まぁ、「それを一日中見てたあなたって誰?」とも思いましたが・・・それはさておき)
なんでもかんでも、被疑者の周辺の情報が垂れ流されていました。

最近、再審請求がとおった袴田さんも、たしか逮捕された当時
まるで犯人扱いする報道がマスコミで流されていました。
松本サリン事件の被害者の河野さんの時もまだ記憶に新しいですが
マスコミによる犯人扱いはひどいものでした。
今回の報道もそうですが、このようなマスコミ報道の姿勢は
いかがなものかと強い憤りを感じます。

表現の自由や報道の自由は、民主主義社会にとって命と言っても良い重要な権利です。
しかし、逮捕された被疑者の、無罪推定を受ける人物の
あらゆる情報を無限定に垂れ流して良い権利ではありません。

考えてみてください。
逮捕されただけで、個人情報がテレビで流されたらどんなに恐ろしいか。
自由をはき違えるマスコミの姿勢が、
袴田さんの事件から40年以上たっても変わっていないことが
同じ日本の社会の一員として本当に恥ずかしく思います。

それでは、また。

2014年5月2日

笠原徳之