先日,川越の裁判所から出てきた際に,
ある女性から声をかけられた。
その女性も神妙な面持ちで,こちらを凝視しながら,
確信が持てないままに「五十川さんですか」と話しかけてきた。
こんなご時世である。
イラク,シリアでの内紛,テロ行為が堂々と行われる時代である。
突然,「天誅」と叫びながら,襲われるやもしれぬ。
私は,覚悟を決めて,「相違ない」と答えた。
その女性の顔が微笑みに包まれた時,私はその人のことを思い出した。
小学校時代のクラスメートである。
小学校を卒業して以来の再会であるから,かれこれ26年ぶりである。
四半世紀ぶりである。
裁判所の前で,他愛もない思い出話をし,私は事務所に戻った。
まさか裁判所で友人と再会するとは思っていなかった。
不思議な縁と言う他ない。懐かしさに涙がこぼれてくるのである。
26年前というのは,ソウルオリンピックが開催された年である。
リクルート疑惑があり,青函トンネル・瀬戸大橋が開通し,
リンス&シャンプーのリンプーが発売された年である。
26年という月日は長いというのであろうか。
「月日は百代の過客にして,行きかふ年も又旅人也。・・・」
松尾芭蕉の心境である。
26年前の卒業アルバムを見ると,
私の夢の欄に,「世界征服」とあり,「法律関係の仕事につく」とある。
後者については,ささやかながらに実現している。
前者については,あえて論じないことにしたい。危険な思想である。
2014年1月27日
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