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裁判官の説諭

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ある刑事裁判での出来事。
窃盗罪(万引き)の判決。
老齢の裁判官が最後に一言。
「渇しても盗泉の水を飲まずといいますが・・・。」と。

どうやら,「苦しくても不正・不義に身を委ねてはいけない」という意味のようである。
裁判官の説諭は,被告人の身の上を案じつつも,厳しい苦言を呈して終わった。
「人として大事なものを失ってはいけない。」
「親として,恥じない行動をしなさい。」等

裁判官の説諭は長いものとなった。
人生経験豊かな老齢の裁判官の声が
被告人の心に届いたものと信じたい。
少なくとも弁護人の私には届いている。

悪いことをしてはダメなのである。

2013年9月5日

五十川剛俊