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不戦の誓い

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お盆と言うことで,久しぶりに実家の江戸川区に帰っていました。
8月15日の終戦記念日,みなさまどう過ごされたでしょうか?
この日が来ると私は必ず思い出す話があります。

私の祖母は福島県郡山市の出身です。
その祖母が,終戦間際,動員されて東京の三鷹にあった無線施設で働いていました。
当時まだ十代の祖母は,親元を離れることや地方から出てきたことで,毎日が不安でいっぱいでした。

そんな中,同じく動員されて,同じ施設に配属されていた同世代の女の子と仲良くなりました。
休みの時には,その友達と井の頭公園にピクニックに出かけていました。
当時の祖母にとって,なんでも話ができるその友達と井の頭公園に出かけることが,とても幸せでした。

あるとき,祖母たちは空襲にあいました。
勤務先が無線の施設であったため,米軍の攻撃対象になったのです。
そのとき戦闘機の機銃掃射が,施設に雨のように降ってきました。
容赦なく降り注ぐ機関銃の弾の間をくぐって避難しなければなりませんでした。
次々と従業員が命を落としていく中,
機関銃の弾は,祖母の目の前で,大切な友達の命も奪い去りました。

終戦後,二度と東京に住むことはなかった祖母の口から,
「井の頭公園まだあるのかねぇ。」という言葉をなんども聞きました。

「井の頭公園まだあるのかねぇ。」
「うん,まだあるよ。」
「そういえば,生きてたら〇〇ちゃん,いくつになっているのかねぇ。」

こんな思い出を作るのは,もうやめにしませんか?

2013年8月18日

笠原徳之